2014.12.02

宝探し 種探し

DSCF1585-s.jpg品種によって種子の大きさ、色、模様もさまざま

固定種(在来種)とは単一の遺伝子が親から子へ受け継がれる種のこと。
農家は代々自家採種を繰り返してきましたが
最近では一部を除いて固定種の野菜を育てる農家はほとんどなく
種取りの技術も途絶えつつあるという現状があるようです。

自然のなかで交雑を繰り返しながら
気候風土にも適応し命を繋いできた多様多様な品種。
今となっては固定種(在来種)は宝物です。

麻はもっとも自家採種しやすい作物のひとつ。
翌春になると前年のこぼれ種が実生で生えてくるほどです。

成長して背丈や葉の形状、成分、香りなど
個性の主張がはっきりしてくると
ひとつひとつの株にさらに愛情が湧いてきます。

収穫のときはまるで宝探し。
植物目線になって ときには人間目線で
どういうものが今の時代に向いているか
どういう在来種を残していくか
麻栽培を通じて
種採りに取り組むことの楽しさも味わいつつ
採種の方法 保存の仕方 選抜の仕方を模索しています。

実を多く付ける品種 油分の多い品種
産業用として社会に有用なものを育種するのはもちろんのこと
固定種の保存もひとつの大切な役目として
来年もまた取り組んでいきたいと思います。






2014.11.12

コンパニオンプランツ

トウモロコシの混植-s.jpg麻とトウモロコシの混植。標高2500mネパール山地にて。 ハッピーヒル-s.jpg福岡正信氏のイネの品種「ハッピーヒル」

一緒に栽培することで互いの成長によい影響を与え
共栄しあうとされるコンパニオンプランツ。

麻にも相性の良い植物があるようで
中国の巴馬では麻とトウモロコシ
ネパールでは麻とムギ、麻とジャガイモなども混植されています。

どんな植物と共に育てると
土壌害虫を防いだり風除けになったり
また 土を活性させたり育成を促進したりするのか。
様々に試し分析し研究してみたいところです。


話は逸れますが
先日 自然農法の福岡正信氏が育成し固定化させたイネの品種
”ハッピーヒル”の種籾をいただきました。
自然農法(不耕起・直播・無施肥・無農薬)に適していて
多収米といわれています。

稲は田んぼでなくても育つだけでなく
バケツやペットボトルでも栽培できるそうです。
畑がなくても庭やベランダでお米を栽培できたら
ほんの一歩でも半歩でもみんなで
自給自足に近づくことができるかもしれないですね。

実現するのは簡単ではないけれど まずは挑戦してみることが大切。
来年ハッピーヒルを育てるのが楽しみです。










2014.10.29

収穫の秋

秋-s.jpg2014-乾燥01-s.jpg

それぞれの色に染まる森の木々。
冷たい空気にくっきり浮かび上がる山の稜線。

標高1000メートルに吹くカラッと乾いた風が
刈り取られ干された麻の合間を駆け抜けていきます。


10月に上陸した二つの台風のダメージは大きくなく
多少茎が折れたり倒れたりしたものの、例年通りに収穫開始。

刈った茎から枝を切り落とし数本まとめて束にして縛っていく。
シートに落ちる種がポロン パチン コロンと音をたて
ひと粒ひと粒がその存在感を主張しているよう。

静かな山の小さな麻畑で 葉の擦れ合う音や鳥の声
そこに住まう生きものたちの響きを感じながら
心の中で収穫を祝う。

今年もたくさんの実をつけてくれてありがとう。












2014.8.21

花盛り

雌株の花.jpg

ニョキニョキと生える白いひげのような雌株の花。

雄株の間引き作業が落ち着いてくるころ
雌株の花穂があたりを優しい香りで包み始めます。

触ってみるとしっとりとした柔らかい感触
その中に感じることができるしっかりとした芯の強さ。

手を休め空を仰いで深呼吸をすると
太陽と土と麻の香りで心が満たされていきます。


麻に限らずほとんどの植物は
日照時間(日長)の変化に影響して対応する”光周性”を持ちます。

長い夜で開花する短日植物(イネやキクなど)
短い夜で開花する長日植物(コムギやホウレンソウなど)
日夜の長さに影響されず開花する中日植物(トマトやナスなど)

光周性のポイントは夜。
短日植物に属する麻は真っ暗でないと眠ることができない植物で
満月の光に反応するくらい光に敏感だそうです。

日が短くなる秋に向かって
暗闇でエネルギーを蓄え晩秋に満開となります。

自然の営みのなかで
寸分の狂いもなく織りなされる生命の循環。

収穫までの過程をイメージしながら
花盛りを迎えるこの時期を楽しもう。







2014.7.1

麻畑と仲間たち

麻畑と仲間達1_s.jpg 麻畑と仲間達3_s.jpg

麻畑と仲間達4s.jpg DSCF0057-s.jpg

7月は、微生物、植物、虫、鳥、動物がエネルギッシュに活動するとき。

山にはウグイスやセキレイの鳴き声が響き渡り
ヒグラシの鳴き声は日に日に勢いを増して
森全体が交響曲を奏でているよう。

バッタ、てんとう虫、カミキリムシ、カメムシ・・・
麻畑にもいろんな仲間がやってきて
愛嬌のある小さな生き物たちに目を向けると
その世界観に引き込まれてしまいます。

一つ一つの命が、共生し合って繋がって
自然というひとつの環を作り上げている。

太陽と土と麻に向き合って草取りをしていると
そんなアートな世界に自分がいることをふと実感します。

ここはそんな心地よい自然が折り合う場所かも知れない。

色んな虫たち、来てくれてありがとう。











2014.6.20

間引き

gallary-7.JPG

6月は草取りと間引きの季節。
風が吹くと麻の若葉が海原のように波打ちます。

密集して生えたところは綺麗に見えるけれど
窮屈な状況では茎がひょろひょろに育ってしまい
実を多くつける丈夫な枝を広げられない。

躊躇せず間引きをすることが大事な作業となる。
しっかり根付いている麻を引き抜く感触はあまり良いものではない。
心の中でしっかり仲間を育てるからねと弁明しながら何千本と抜く。

あとひと月もすれば2m以上に伸びて、雄株と雌株の区別もつくでしょう。

明日は夏至。
さぁグングン伸びますぞ。




2014.5.20

ワイルドヘンプ編み

hemp-fiber02.JPGDSCF8018-s.jpg

古代より日本では主流であった大麻の繊維。
現在は国産麻の生産量はごくわずかで、残念ながら
国産のヘンプ繊維はほとんど流通していないのが現状です。


左の写真は、一番上に写る精麻を除き国外から集めたヘンプ素材の紐や糸たち。
麻の子で取り扱う麻は食用で、種(実)からオイルを採るのが目的なため
繊維用の品種とは栽培方法が異なり、
丈は低めに枝を大きく広げ、たくさん実を付けるよう育てます。

完熟させてから収穫するので、茎は太く硬くなり
長く柔らかい繊維というのはとれません。

けれども、収穫後の茎を水に浸し柔らかくなったところで
表皮の部分である繊維を剥がし乾燥させると
短いけれど強くて丈夫な繊維がとれます。

ネパールで見たワイルドヘンプのロープを思い出し、
ワイルドに編み込んでみました。

そうしてできたワイルドヘンプの作品。(コースター?右の写真)
草の香りが残り、かなりワイルドな仕上がりです。







2014.4.1

紫色の種

DSCF7440.JPG

種蒔きに先立ち、良好な生育と実付きの良さを望める種子を選別。

収穫する前にある程度選別して播種用に取っておく。
生育の良さ、実の付きが良さ、丈夫さに加え、
私たちが採用しているのが香りの良さ。
香りも大切な遺伝的要素の一つと考えています。

収穫後のランダムな種子の中から選別する際は
一定濃度の食塩水に入れて、浮いたものを取り除き、
沈んだものを種子として採用する塩水選という方法もあるけれど
直感を研ぎ澄まし?感覚で選んだりもしています。

この一粒一粒の種が大切な宝石。
茶系、グレー系、柄のある種、大きさも様々な中、
稀に見つかる紫色の種を拾い集めてみました。

今年も実り多き麻に育ちますように。





2014.2.1

ヘンプオイル×醤油で○○の味

麻の実オイルs.jpg
収穫を終え、農作業の落ち着く冬期。
この時期の農家の仕事といえば、作物の加工、そして保存と貯蔵です。

乾燥させたり、醗酵させたり、冷凍したり・・・
品質が長持ちするだけでなく、甘味やうま味が増すのだそう。
先人の知恵と工夫の賜物に感謝しながら、日々是精進です。


麻の実の加工品といえば、ナッツや七味唐辛子などがありますが
オイルは食材として最も利用しやすいものの一つ。
ヘンプオイル(麻の実油)は酸化しやすいので、加熱しないでそのままが一番です。

様々な食べ方がありますが、ここで一つシンプルな食べ方をご紹介。
温かいご飯にお醤油とヘンプオイルを一緒に掛けて食べると卵かけご飯の味がするのです。
いろいろと試してみましたが、これはけっこう使えます。
トッピングとして、しらすを混ぜたり、大根おろしをのせたり。

ヘンプオイル×お醤油×のりのおにぎりも
急なお弁当づくりの際などにもさっとできてオススメです。




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