2016.09.17

台風の当たり年


DSCF0562-s.jpg DSCF0649-s.jpg



つばめが旅立ち秋深まる。
曼珠沙華の花も旬をむかえ風情を漂わせています。

麻の成長は落ち着き、下の方から黄色く色づく葉。
麻のエネルギーは実の熟成に注がれます。
いまが一番香りが芳しくその美しさに魅了される時でもあります。

種を付け次第に枝が重くなる今の時期
台風は収穫に大きな影響をもたらします。

今年は台風の当たり年で台風が30個を超える予想もあるのだとか。

早生品種で種が熟したものは収穫
中・晩生種は倒伏防止のため紐でくくる。

生物の多様性を信頼し利用し
淘汰や自然選択が引き起こされている面も受け入れつつ
できる対策は施して、
あとは自然循環機能に任せようと思います。








2016.08.30

土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)


2016-6-26-s.jpg 2016-7-20-s.jpg
6月下旬ごろ                       7月下旬ごろ


2016-9-4-s.jpg
8月下旬ごろ


七十二候では土潤溽暑(つち うるおうてむしあつし)。
梅雨の湿気を帯びた大地に強い陽射しが照りつけ
麻の成長が最盛期をむかえる頃でもあります。

6月から7月にかけて50〜100cmであった高さが
8月頃の一ヶ月で2〜3mまで成長します。

麻は種の時点では雄か雌かはわからず
7月半ばごろからその兆候が見えてきます。

先にわかり出すのは雄。
成長してくるにつれ雌も特徴が出てきます。

そして、この時期は雄株の間引き作業となります。
雌株が枝を大きく広げ実(種)を沢山つけるよう
雄株の方は最低限まで間引きしていきます。

間引きした雄株は枝葉を落とし、茎だけにして保管。
農閑期に炭にしたり、建材用チップにしたりします。

なお、種の雄雌の確率としては半々(50対50)と云われ
種の時点でどちらかは決まっているものの
成長してみないと雄雌はわかりません。

しかしながら、栽培していての経験として
後天的に雄雌が分かれることもあるのでは?と思うことがあります。

というのも同じ畑の中で
一箇所だけ雌株ばかり、雄株ばかりというように
固まって群生していることがあるのです。

気候や環境、土地の磁場、土壌の成分や空気中の微生物など
なんらかの外的要因によって性別が分かれる可能性があるのかもしれないと思ったりしています。

どの本にも書いておらず、聞いたこともなく真偽のほどはわかりませんが
まだ未知なこともいろいろです。
これからも観察していきたいと思います。







2016.07.04

ハーブチンキ作り


DSCF0352-s.jpg DSCF0354-s.jpg
和ハッカの葉とつき始めの花


麻の子の商品では欠かせないハーブチンキ。

ハーブチンキ(チンクチャー)とは
草木の葉や花をアルコール(ウォッカ、焼酎など)に漬け
植物の有効成分を抽出したハーブ酒のことです。

ハーブチンキはもともと
人間が生まれながらに持ち合わせている自然治癒力を高め、
精神や健康の安定を引き出す植物療法でも用いられていたそうです。

野草やハーブがエネルギッシュに活動する
春から初夏にかけてが作りどき。

麻の子では標高800m〜1000mに育つ草木や
自主採取で育てているハーブを用いたハーブチンキを
新月の朝に手摘みして作っています。

お水や紅茶に数滴入れて飲んだり
料理の風味付けに使ったり
水で希釈して化粧水や虫除け/虫刺されのスプレーにしたり
お風呂の入浴剤として数滴いれたり、、、
作っておくととても重宝します。

いくつかの種類のハーブチンキを作っておいて
用途によってブレンドすればオリジナルな楽しみ方もできます。

色々な方法がありますが、一つの例として、作り方をご紹介します。


【作り方】
1.  野草を手摘みし、さっと水で洗い乾かす。広口瓶に入れ、野草が完全に浸るようにアルコールを注ぎます。
  (アルコールの度数は、植物の部位によっても変わります。柔らかい新芽や花は35〜40度、硬い葉や茎、
  根っこなどは50度以上のアルコールを使用します。また植物の種類によっても変わることがあります)

2.  瓶にフタをして冷暗所に置き、1日数回振り混ぜます。

3.  2〜3週間後、野草を漉します。野草がアルコールを吸っているのでよく搾ります。
  (漉したあとの野草は洗濯ネットなどに入れてお風呂に入れたり、畑の堆肥にしたりできます)

4.  漉した液を、遮光瓶に入れ冷暗所で保存します。冷蔵庫で約1〜2年保存できます。(目安ですので違和感を
  感じた場合はご使用を止めてください)



手作りハーブチンキ、試してみてはいかがでしょうか?









2016.04.23

子馬生まれる


DSCF4813-s.jpg  DSCF4801-s.jpg


麻畑とは別に、農場内では夏期に馬が放牧されています。
和種馬の保存と馬と人間との暮らしを探求し地域に貢献することを目的に
木曽馬と道産子(北海道和種馬)を有志の人たちが育てています。

挽馬や馬耕は今はまだ研究中。
馬と一緒に山であらゆる仕事をすることも思い描いています。


子馬生まれる2-s.jpg  子馬生まれる1-s.jpg

子馬生まれる3-s.jpg

この春、一頭の道産子が子馬を出産しました。

生まれたばかりの馬にはインプリンティング(刷り込み)が重要で
72時間以内にたくさんの人が触れることにより
人に慣らせ、以後の調教・訓練をより容易にするそうです。
(※最近ではインプリント弊害説もあるようです)

生まれたてホヤホヤの柔らかい毛や顎、尻尾に触れて
いのちの神秘を感じ、生物の尊さを想うひとときでした。

ちなみに、
麻畑は無肥料ですが、収穫の終わった畑には馬を放牧し
ボロ(馬糞)を堆肥化させています。

農場内を自由に駆け回り
自然の草しか食べていない馬たちのボロが土に還り
微生物の力を借りてさらに良い土壌を作ってくれているようです。









2016.04.20

葭始生 (あしはじめてしょうず)


DSCF9039-s.jpg

山は春の盛りをむかえ、草花が一斉に芽吹き始めています。

二十四節気では「穀雨」
穀雨とは「百穀を潤す春の雨」のことで
たくさんの穀物を潤す春の雨が降る時季ということです。

植物にとっては恵みの雨、まさに種蒔きの準備の時期となります。
大地が緑色に輝き噎せるような草いきれに包まれるなか
私たちも麻の畑開きを迎えました。

DSCF9076-s.jpg

マヤから伝わる種蒔きの儀式の研究と伝承に努められている古神道家の方に
今年も種蒔き御神事を執り行っていただきました。

平和の祈りを軸とした祝詞とともに土に響き渡る石笛の音。

この土壌の微生物たちにもしっかり伝わったことと思います。


20160422-12.jpg

御神事の後には
半円ではなくちょっと変わった直線の虹が出ました。
青みが強いのが印象的で、移動もせず空の一定の場所に
しばらく掛かっていました。

この祝福を麻の成長と発展に繋げていきたいです。









2016.02.9

ベトナム紀行


DSCF6390.jpg DSCF6442 (1).jpg

DSCF6853.jpg


次候では立春の黄鶯睍睨、うぐいすが鳴き始めるころ。
テトと呼ばれる旧正月で賑わうベトナム北部、
サパという山岳地帯に暮らすモン族を訪ねてきました。

古来から伝わる経験に従い傾斜地に棚田をつくり
水稲栽培をして生活しています。

棚田は美しい景観のみならず貴重な植物の生息空間。
険しい道のりや想像を絶する時間と労力をかけて守り継いできた
この豊かな暮らしには唯々感銘を受けます。


DSCF6682.jpg DSCF6513.jpg

DSCF6652.jpg DSCF6521.jpg

生活が現代化されつつあるなか
モン族は依然として麻(ヘンプ)や藍を育て
糸紡み、織り、藍染、独自の民族衣装を作り続けています。

その作業や行為自体が祈りであり、自然と調和していたのでしょう。

どの家にも玄関先には醗酵した藍の樽が置かれていました。
藍染が生活に密着しているのだなあと
その奥にある様々な文化様式や生活思想を垣間見るようでした。


DSCF6312-s.jpg DSCF7080.jpg

DSCF6875.jpg DSCF7039.jpg

話をしてくれたモン族の若い女性は8歳のときから作っているといい
手早くヘンプの糸を撚る作業を見せてくれました。

蝋纈染めも昔ながらの技法。
モン族では蝋纈の模様は太陽、気候、空間、時間を象徴するものであるそうです。


モン族が育てているヘンプはサティバ種のようで、日本の在来種と似たものでした。
種取り用に最後まで成長させると3m以上になるそうですが
繊維用としては150cmくらいでまだ雄雌のわからない若いうちに収穫して
乾燥させ、表皮を剥ぎ、裂き、拠ってから、数日間灰汁で煮出して
柔らかな糸にしていくそうです。

サパのモン族は種を食べたりオイルを絞ったりする文化はないそうで
日本からお土産として差し上げたヘンプオイルを喜んでくれました。


DSCF7143.jpg DSCF7105.jpg

DSCF7114.jpg

サパの旧正月。
濃紺の布地に蝋を擦り込み艶を施した、それはそれは美しい黒モン族衣装。
様々な民族が集い、子供から大人まで独自の衣装を纏い町の中心地は華やかに賑わっています。


一方で見せられた産業が栄えるにつれ急速に失われていく自然や伝統。
自分たちにも置き換えて課題として持ち帰ってきました。

美しい風景や昔からの生活の知恵と技術を守り継ぎつつ
食や衣料を自給する暮らしを目指して。








2016.01.16

漢方としての麻


DSCF5885-s.jpgDSCF5899-s.jpg


大麻は古くから衣料用の繊維として知られていますが、
果実は五穀の一つに数えられ、種子も食用や薬用にと多く利用されてきました。

中国古来の医学書「本草書」において、
大麻は麻蔶、麻花、麻葉などの名で生薬の一つとして記載されています。

麻蔶(まふん)とは雌花の穂のことで
鎮痛、鎮痙、リュウマチ、関節痛、筋肉痛、てんかん、不眠症、喘息に、

麻花(まか)は雄花のことで
苴麻(しょま/しま)とも呼ばれ、リュウマチ、健忘症などの処方に使われ、

麻葉(まよう)は麻の葉の部分で、喘息、鎮痛、麻酔、利尿などに効くそうです。


また、麻の実(種子)は、生薬として麻子仁(マシニン)と呼ばれる漢方薬の
原料であり、緩下薬、潤燥薬、滋養補虚の薬理作用があり、
老人、産後、久病体弱に方に良いとされています。

健康食品としてのヘンプオイルや麻の実パウダーは広まりつつありますが
生薬としての麻の実も、麻のもつ素晴らしい一面として知っておきたいです。






過去の日記はこちら
2016
2015
2014
2013